スキル習得

未経験からのポートフォリオの作り方|案件が取れる見せ方

2026.08.11 スキル習得 読了 約6分 執筆: 深井 嵐丸

ポートフォリオと聞くと「実績がないと作れない」と思われがちですが、実際は逆で、未経験者こそ架空案件やリデザインで作品を用意すれば、選考や案件獲得の土俵に立てます。見る側が評価しているのは実績の数ではなく、課題をどう捉え、どんな意図で形にしたかという思考のプロセスです。この記事では、実績ゼロから「案件が取れる」ポートフォリオを作る手順と見せ方を解説します。

未経験でもポートフォリオは作れる?実績ゼロからの考え方

前提として、採用担当者やクライアントは、未経験者に華々しい実績を期待していません。知りたいのは「この人に任せたら、どんな考え方で、どのレベルの成果物が出てくるか」です。そしてそれを示す手段は、実案件がなくても用意できます。

架空案件でも評価される理由

架空案件とは、実在しない商品やサービスを自分で設定し、そのためのLPやバナー、SNS運用案などを制作することです。「実案件でないと意味がないのでは」と不安になる人が多いのですが、見る側にとっては、ターゲット設定・課題分析・デザインや施策の判断をまとめて確認できる立派な判断材料です。むしろ発注者の制約がない架空案件は、その人の実力と思考がそのまま出るため、ごまかしが利きません。

リデザイン(改善提案型)という定番の方法

既存のWebサイトやチラシを題材に、「自分ならこう改善する」という形で作り直すのがリデザインです。ゼロから題材を考える必要がなく、元の課題を分析する力と改善の引き出しを同時に見せられるため、未経験者のポートフォリオと相性の良い方法です。なお、実在企業のサイトをリデザインして公開する場合は、公式の依頼ではない自主制作であることを明記し、ロゴや写真といった権利物の扱いには十分注意してください。

案件が取れる見せ方|「課題→意図→成果物」の3点セット

同じ作品でも、見せ方によって評価は大きく変わります。作品画像を並べただけのポートフォリオと選ばれるポートフォリオの差は、各作品に「課題→意図→成果物」のストーリーが付いているかどうかです。

課題:誰の、どんな問題を解決するのか

「30代女性向けのヨガスタジオ。体験予約が伸び悩んでいる想定」のように、ターゲットと解決したい課題を最初に示します。架空案件でも、この設定を具体的に作り込むほど作品に説得力が生まれます。

意図:なぜこのデザイン・構成にしたのか

「安心感を出すために彩度を抑えた配色にした」「予約への迷いを減らすために料金を比較しやすい表組みにした」など、判断の根拠を言語化します。ここが最も差がつくパートで、発注者は成果物そのものと同じくらい、この思考プロセスを見ています。

成果物:完成品と工夫したポイント

完成した作品を、全体像→注目してほしい箇所の順で見せます。制作期間や使用ツールも添えると、実務のスピード感やスキルの範囲が伝わりやすくなります。

ポイント

発注者が知りたいのは「この人に頼んだら、うちの課題をどう考えてくれるか」です。作品の説明文は自分のセンスの自慢ではなく、課題解決の提案書のつもりで書きましょう。

数より質|作品数は3〜5点で十分

「たくさん載せたほうが熱意が伝わる」と考えて10点、20点と並べる人がいますが、多くの場合は逆効果です。見る側は多忙で、1人のポートフォリオにかける時間は限られています。平均的な作品が20点あるより、課題設定から練り込まれた3点のほうが印象に残りやすいものです。さらに、完成度の低い作品が混ざっていると、全体の評価がその最低ラインに引っ張られるリスクもあります。

迷ったら「自信のある順に3〜5点だけ残し、それ以外は思い切って外す」が原則です。外した作品も無駄にはなりません。面談で制作数を聞かれたときや、話題が広がったときの引き出しとして取っておけます。

載せるべき作品3〜5点の構成例

では具体的に何を載せるか。Webデザイナー志望を例にした構成を紹介します。

作品 内容 示せる力
1点目 架空案件のLP(設定を作り込む) 課題設定力・構成力・デザイン力
2点目 既存サイトのリデザイン 分析力・改善提案力
3点目 バナーやSNS画像などの小型制作物一式 量産力・トーンの調整力
4点目(任意) 自主制作(自分の好きなテーマ) 個性・熱量
5点目(任意) 実案件(友人・知人からの依頼でも可) 実務対応力

「メインの大型作品+改善提案+小型の量産物」という組み合わせにすると、力の幅が伝わります。Webマーケティング志望であれば、自分のブログやSNSの運用レポート(数字の変化と打ち手をまとめたもの)がポートフォリオの中核になります。職種ごとの学習の進め方は未経験からWebデザイナーになる方法未経験からWebマーケティングを学ぶ方法も参考にしてください。

ポートフォリオでやりがちなNG例

最後に、未経験者のポートフォリオでよく見られるNGパターンを押さえておきましょう。事前に知っておくだけで回避できるものばかりです。

  • 作品を並べただけ:課題や意図の説明がないと、見る側は判断材料を持てません。1作品につき、課題・意図・工夫の3点は言語化しましょう。
  • 数で勝負してしまう:前述の通り、完成度の低い作品が混ざると全体の印象が下がります。
  • 権利物の無断使用:写真・イラスト・フォント・ロゴにはそれぞれ権利があります。フリー素材でも利用規約の確認は欠かせません。
  • 更新が止まっている:制作日が古い作品ばかりだと、現在のスキルレベルを疑われます。直近の作品を常に1点は入れておきましょう。
  • 連絡先や自己紹介がない:作品づくりに集中するあまり、依頼や応募への導線が抜けているケースは意外と多いものです。

よくある質問

ポートフォリオには何点くらい作品を載せればいいですか?

3〜5点が目安です。数を増やすよりも、1作品ごとの課題設定と説明の質を高めるほうが評価につながります。自信のない作品は思い切って外しましょう。

架空案件であることは正直に書くべきですか?

明記してください。架空案件であること自体はマイナスになりませんが、実案件と誤解される形で載せてしまうと、後から分かったときに信頼を大きく損ないます。「自主制作(架空案件)」と一言添えれば十分です。

ポートフォリオはどうやって公開すればいいですか?

ポートフォリオ作成サービスやノーコードツールを使う方法と、自分でサイトを制作する方法があります。Webデザイナー志望であれば、ポートフォリオサイト自体を自作すると、それがそのままスキルの証明になります。まずは公開のハードルが低い方法で世に出し、後から作り替えても問題ありません。

完成度に自信がなくても公開していいですか?

現時点のベストであれば公開して問題ありません。ポートフォリオは一度作って終わりではなく、スキルの成長に合わせて作品を差し替えていく「生きた資料」です。公開して反応やフィードバックをもらうことが上達の近道にもなります。公開後に副業案件へ挑戦する流れはWebデザイン副業の始め方で解説しています。

REBOOT CAMPのセブ島3ヶ月プログラムでは、WebデザインやAI活用、マーケティングのスキル学習と並行して、卒業時にポートフォリオとして提示できる制作課題に取り組みます。講師のフィードバックを受けながら「課題→意図→成果物」を言語化する訓練を積めるため、帰国後すぐに案件応募や転職活動を始められる状態を目指せます。詳しくは無料説明会でご確認ください。

Author / 執筆・監修

深井 嵐丸

REBOOT CAMP編集長・セブ島在住

セブ島に住みながら、学校・カフェ・街を自分の足で取材しています。記事は各校公式サイトの確認に加え、Googleマップの営業実態チェックやWi-Fi速度の実測(fast.com)など、現地で確かめた一次情報にもとづいて執筆・更新しています。

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