カオハガン島 完全ガイド【宿泊実測】行き方・料金・1泊2日のリアルを現地レポート

セブ島留学中の週末、どこへ行くか。編集部が選んだのは、マクタン島の沖に浮かぶ小さな島・カオハガン島です。「何もなくて豊かな島」として知られるこの島で実際に1泊2日を過ごし、行き方・支払った金額・島に流れる時間をぜんぶ記録してきました。2026年7月の宿泊実測レポートです。
カオハガン島とは——「何もなくて豊かな島」

カオハガン島は、マクタン島の南東沖・オランゴ環礁の中に浮かぶ、歩いて一周できるほど小さな島です。数百人の島民が海とともに暮らしていて、リゾート開発された島ではありません。電気も水も限られています。でも、それは「不便な島」ではなく、「なくても豊かに暮らせること」を体感できる島——そんな表現が一番しっくりきます。
日本との縁が深いことでも知られています。日本人の崎山克彦さんが1987年にこの島を買い取り、島民とともに暮らした物語は、著書『何もなくて豊かな島』として出版され、多くの日本人がこの島を知るきっかけになりました。今でも日本人ゲストの受け入れに慣れている、セブ近郊では珍しい島です。
セブ島周辺の離島はアイランドホッピングで数時間だけ立ち寄るのが定番ですが、カオハガンは泊まってこそ真価が出る島。この記事では実際に1泊した体験ベースで、行き方から料金、島の時間の流れまで順番に紹介します。セブ観光全体の計画はセブ島観光の完全ガイドもあわせてどうぞ。
カオハガン島への行き方——コルドバ港からバンカーボート

島への玄関口は、マクタン島南部のコルドバ(Cordova)港です。セブ市内からはマクタン島へ橋を渡り、車でおおよそ1時間前後(交通状況次第)。私たちはここからバンカーボート(フィリピンの伝統的なアウトリガー船)をチャーターして島へ渡りました。
この日は直行ではなく、途中の浅瀬でシュノーケリングを挟みながら、午前中にカオハガン島へ到着するのんびり行程。透明度の高い遠浅の海が続くエリアなので、行き帰りの海そのものがアクティビティになります。所要時間は立ち寄りプランの有無と海況でかなり変わるため、予約時に「直行か、シュノーケリング付きか」を確認しておくのがおすすめです。
ボートの手配は、宿泊とセットになったチャータープランが分かりやすくて確実です(私たちも宿泊込みプランを利用)。日帰りの場合はアイランドホッピングツアーの行き先としてカオハガンを指定する方法もあります。
実際にかかった料金【2026年7月・実測】
「で、結局いくらかかるの?」に実額で答えます。今回私たちが支払ったのは以下です。
| 項目 | 実際に払った金額 |
|---|---|
| ボート往復+コテージ1泊(マスタールーム) | 1人 6,800ペソ(約1.7〜1.8万円) |
| コテージの電気・シャワー利用(オプション) | +700ペソ(約1,800円) |
グループでの1泊2日チャータープランの1人あたり実額です。人数・部屋タイプ・時期で変わるので目安として見てください(円換算は取材時の為替による概算です)。
注目してほしいのは「電気とシャワーがオプション」という料金体系。この一行に、カオハガンという島のすべてが表れています。電気は当たり前に来るものではなく、必要な人が必要なぶんだけ使うもの。この感覚のリセットこそ、この島に来る意味だと思います。
島にATM・両替はありません。支払い・売店・チップ用に現金(ペソ・できれば小額紙幣)を必ず用意してから乗船してください。
島での過ごし方——1泊2日の時間の流れ
カオハガンには「観光スポット」はほぼありません。その代わり、時間の流れそのものがコンテンツです。実際の1泊2日はこんな流れでした。
昼——どこまでも歩ける遠浅の海

島に着いてまずやることは、何もしないこと。目の前の海は驚くほど遠浅で、ぬるい水の中をどこまでも歩いていけます。浮き輪のラインの内側なら子どもでも安心して遊べる深さです。
午後——集落をぶらぶら歩く


島は歩いて回れるサイズ。竹垣の路地、庭先の洗濯物、放し飼いの鶏、そしてそこらじゅうで昼寝している犬。観光地の「見どころ」ではなく、島の暮らしの中を歩かせてもらう感覚です。すれ違う島の人たちが自然に挨拶してくれるのが心地いい。

夕方——ブランコとマジックアワー

日が傾き始めたら、海辺の芝生広場へ。木のブランコに座って、空の色が変わっていくのをただ眺めます。スマホを見る理由が本当にひとつもない時間です。

ビーチ沿いの東屋には「HINAY HINAY(ヒナイヒナイ)」の看板。ビサヤ語で「ゆっくり、ゆっくり」という意味です。夕暮れどきには島の人がギターを持ち出して、砂浜に座って歌い始めました。電源もスピーカーもいらない、この島の夜の始まりです。

夜——街灯のない島の、本当の暗さ
日が落ちると、島は想像以上に暗くなります。街灯はほとんどなく、宿の明かりが届かない場所は完全な闇。足元を確認するのにスマホのライトが手放せません。電気がオプション(有料)で提供されている島だと実感するのは、まさにこの瞬間です。逆に言えば、これだけ人工の光がない場所は日本ではまず体験できません。
深夜——ライトを持ってヤドカリ探しへ

この島の夜の遊びは、ヤドカリ探しです。砂地と草の境目あたりをライトで照らしながらゆっくり歩くと、貝殻がもぞもぞと動いているのが見つかります。昼間はほとんど姿を見せないのに、暗くなると驚くほど出てくる。大きい個体は手のひらいっぱいのサイズで、持ち上げると脚が勢いよく動いて思わず声が出ます。
私たちは22時を過ぎるまで、大人が本気になって探し回っていました。見つけたヤドカリはタッパーに集めて、みんなで覗き込んで大きさを比べっこ。ゲームも動画もない夜に、これ以上ないくらい盛り上がるアクティビティでした。スマホのライトでも十分ですが、両手が空くヘッドライトがあると格段に探しやすいです。
就寝——シーツの上にもヤドカリ

部屋は床にマットレスを敷くシンプルなスタイルです。木製の鎧戸を開けると、外の風と波の音がそのまま入ってきます。エアコンはありませんが、夜は風が通って思ったより快適でした。
そして就寝後——白いシーツの上を、ヤドカリが1匹のんびり横切っていきました。虫やヤドカリが室内に入ってくるのは、この島では特別なことではありません。それが無理な人にはハードルの高い島ですが、「そういうものだ」と受け入れられるなら、これも含めてカオハガンの夜です。
朝は鶏の声で自然に目が覚めます。帰りのボートまでもう一度海を歩いて、1泊2日は終わりです。
泊まった宿のリアル——マスタールーム・コテージ

今回泊まったのは、ニッパヤシ屋根のコテージの「マスタールーム」(この記事のトップ画像の建物です)。室内はマットレスとシーツのシンプルな造りで、ホテルの快適さを求める場所ではありません。前述のとおりシャワーと電気はオプション(+700ペソ)で、電気そのものが貴重な島なので、エアコン完備の滞在を期待する場所でもありません。
一方で、共用スペースには飲料水のサーバーがあり、「ミネラルウォーター ご自由にお飲みください」と日本語の掲示が出ているなど、日本人ゲストの受け入れに慣れた安心感があります。「不便さごと楽しむ」と決めて行けば、これ以上ない宿です。虫対策と貴重品の自己管理だけは忘れずに。
持ち物チェックリストと注意点
1泊2日で「持ってきてよかった/持ってくればよかった」をまとめます。
| 持ち物 | 理由 |
|---|---|
| 現金(ペソ・小額多め) | 島にATM・両替なし。カードは使えない前提で |
| モバイルバッテリー(大容量) | 電気がオプションの島。充電機会は限られる |
| 日焼け対策(帽子・ラッシュガード・日焼け止め) | 遮るものがない南国の日差し。海上のボートでも焼ける |
| 虫除け・かゆみ止め | 自然の中で寝泊まりする島。夜は特に必須 |
| ビーチサンダル+マリンシューズ | 浅瀬歩きはサンゴ・貝殻対策があると安心 |
| 防水バッグ | ボート移動で荷物が濡れることがある |
| ライト(ヘッドライトやスマホでOK) | 夜の島は本当に暗い |
| 飲み物・軽食 | 島で買えるものは限られる。セブ側で調達してから |
そして大前提として、Wi-Fiはない前提で行くこと。スマホの電波はキャリアや場所によって入ることもありますが、仕事や動画視聴を持ち込む島ではありません。ゴミは持ち帰る、サンゴは踏まない・持ち出さない——島の暮らしにお邪魔する側のマナーも忘れずに。
よくある質問
日帰りでも行けますか?
行けます。アイランドホッピングの行き先として指定したり、チャーターで日帰り往復も可能です。ただ、この島の一番いい時間は夕暮れから夜。ブランコ越しのマジックアワーと、ギターの音だけの夜を体験できるのは宿泊者だけなので、時間が許すなら1泊をおすすめします。
電波やWi-Fiはありますか?
Wi-Fiはない前提で考えてください。スマホの電波は場所とキャリア次第で入ることもありますが、電気自体がオプション(有料)の島です。連絡が必要な予定は事前に済ませて、デジタルデトックスと割り切るのが正解です。
ベストシーズンはいつですか?
海の透明度と天候の安定を求めるなら乾季(12〜5月)がベターです。雨季(6〜11月)でも一日中降り続くことは少なく、私たちが訪れた7月も昼は快晴でした。季節ごとの天候はセブ島の季節・ベストシーズン解説にまとめています。
セブ島留学中の週末でも行けますか?
1泊2日でちょうどいい距離感です。土曜の朝にセブ市内を出て、日曜の昼過ぎに戻るイメージ。ITパークやセブシティの学校からコルドバ港までは車で1時間前後なので、金曜の夜に荷物をまとめておけば十分間に合います。平日は英語やITスキルを学び、週末はこういう island time でリセットする——それがセブ島留学の贅沢なところです。留学全体の組み立てはセブ島IT留学の完全ガイドを参考にしてください。
夜は何をして過ごしますか?
ヤドカリ探しが定番です。ライトを持って砂地と草の境目を歩くと、大きなヤドカリが次々に見つかります。ほかは星空を眺めたり、東屋で島の人のギターを聴いたり。テレビもWi-Fiもないぶん、人と話す時間と自然そのものが娯楽になります。ライト(できればヘッドライト)と虫除けは必ず持参してください。





